2023年6月10日、登別市美園町6丁目の傾斜地で住宅の擁壁が約25メートルにわたって倒壊し、付近の13世帯が一時避難する事故が発生しました。あれから2年以上が経過した現在も、現場では擁壁が住宅にもたれかかった状態が続いており、近隣住民の方々は今なお不安を抱えながら暮らしています。
「うちの擁壁は大丈夫だろうか」「斜面の上に建つ家を相続したけれど、点検はどうすれば?」——登別市・室蘭市の傾斜地に住まいをお持ちの方なら、一度はこんな心配をされたことがあるのではないでしょうか。
登別・室蘭エリアは坂の多い地形で、盛り土や擁壁に支えられた住宅地が数多く存在します。さらに、寒冷地ならではの凍上や凍結融解といった現象もあり、本州よりも擁壁が傷みやすい環境にあるのが実情です。
そこで本記事では、地元・登別室蘭で長年不動産業を営んできた当社が、盛り土と擁壁の基礎知識から、ご自身でできる安全チェックの方法、北海道特有の注意点まで、わかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 盛り土・擁壁の基本的な役割と種類
- 2023年に登別市美園町で起きた擁壁倒壊事故の続報と教訓
- 盛り土・擁壁を自分でチェックする具体的なポイント
- 登別・室蘭など寒冷地ならではの劣化要因(凍上・凍害)
- 2023年5月施行の「盛土規制法」と所有者の責任
- 擁壁が倒壊した場合に所有者が負う賠償責任
- 不動産売却時に擁壁・盛り土がある場合の注意点
傾斜地・盛り土・擁壁のある土地で暮らしている登別市・室蘭市在住の方、また、こうした土地の売却・購入をご検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。
そもそも盛り土・擁壁とは?役割と基礎知識
まずは「盛り土」と「擁壁」がそれぞれどんなもので、なぜ住宅地に必要なのか、基本的なところから整理していきましょう。
盛り土とは|傾斜地を宅地にする工法
盛り土とは、傾斜のある土地や地盤の低い土地に土砂を盛って、平らな宅地として使えるように造成する工法のことです。そのままでは建物が建てられない斜面でも、盛り土を施すことで宅地として利用できるようになります。
登別市や室蘭市のように、もともと丘陵地や坂の多い地域では、住宅地の多くがこの盛り土によって造成されています。普段はその存在を意識することはありませんが、私たちの足元の地盤は、自然のままの土ではなく「人の手で積み上げられた土」であるケースが少なくないのです。
盛り土には大きな利点がある一方で、自然の地盤と比べて軟弱になりやすく、地震・豪雨・盛り土自体の重みによって地滑りや崩落が起こりやすいというデメリットもあります。だからこそ、定期的な安全確認が欠かせません。
盛り土に使われる土の種類
ひとくちに盛り土といっても、使われる土の種類はさまざまです。代表的なものを整理してみましょう。
| 盛り土の種類 | 特徴 |
|---|---|
| 山砂 | 山から採取した粒の粗い土。保水性があり、一度しっかり固めると硬い地盤を作りやすい。盛り土の中でも信頼性が高い素材として知られる |
| 根切り土 | 建築物の基礎工事で地面を掘削した際に出る土。良質な土の場合のみ盛り土として再利用される。不純物が混じっていると使用できない |
| 再生コンクリート砂 | 使用済みコンクリートを破砕し、粒度を調整したうえで補足材を加えた再生資源。循環型社会の観点から注目されている |
| 建設発生土 | 工事現場から出る残土を再利用したもの。性状や品質にばらつきがあるため、利用前の確認が重要 |
使う土の種類によって、固まりやすさや水のはけ具合などの性質が大きく変わります。傾斜地の宅地造成では、その土地の地形・地下水位・気候を踏まえて、適切な素材が選ばれているはずです。逆に言えば、どんな土で盛られているかわからない古い造成地は、見えないリスクを抱えている可能性もあります。
盛り土の役割
盛り土には、住宅地として暮らすうえで重要な役割が複数あります。
- 建物の重さ(上載荷重)を地盤として受け止める
- 豪雨や河川氾濫の際の床上浸水を防ぐ
- 道路や歩行者からの視線を遮り、プライバシーを守る
- 傾斜地を平らにし、安定した居住空間をつくる
このように盛り土は、暮らしの安全性と快適性の両方を支える大切な存在です。一方で、適切に管理されていない盛り土は、いざというときに住人や近隣の方の命を脅かすリスクにもなり得ます。
擁壁とは|斜面の土を押さえる壁状の構造物
擁壁とは、斜面の土が崩れないように、土留めのためにつくられた壁状の構造物のことです。高低差のある土地に住宅を建てる場合、土が下に崩れ落ちないよう、コンクリートや石、ブロックなどで壁をつくって支える必要があります。
登別市や室蘭市の住宅街を歩くと、コンクリートの大きな壁や、ブロックを積み上げた壁を目にすることが多いはずです。あれが擁壁です。普段は風景の一部としか意識しないものですが、その壁が崩れれば、上の家・下の家どちらにも大きな被害をもたらします。
擁壁の主な種類
擁壁にはいくつかの種類があり、それぞれ強度やつくり方が異なります。
| 擁壁の種類 | 特徴と強度の目安 |
|---|---|
| 鉄筋コンクリート擁壁 | コンクリートの中に鉄筋を埋め込んで作る現代の主流。L型・逆T型などがあり、強度が非常に高い |
| 重力式コンクリート擁壁 | コンクリート自体の重さで土圧を支える擁壁。比較的低い高さの擁壁に使われる |
| 練(ねり)積み造擁壁 | 石やコンクリートブロックをモルタルで接着しながら積み上げた擁壁。一定の強度がある |
| 空石(からいし)積み擁壁 | 石やブロックを積み上げただけで、接着していない古い形式。強度が低く、現代の基準では新設できない |
| 増し積み擁壁 | 既存の擁壁の上にブロックなどを継ぎ足して高さを増したもの。継ぎ目の強度が弱点になりやすい |
特に注意したいのが「空石積み擁壁」と「増し積み擁壁」です。古い造成地に多く見られる形式で、強度が低かったり、継ぎ目から崩れやすかったりする傾向があります。ご自宅やご実家の擁壁がどのタイプかわからない場合は、一度確認しておくことをおすすめします。
擁壁の役割
擁壁の最大の役割は、斜面の土が崩れ落ちるのを物理的に押さえることです。土には重力が働いており、放っておけば斜面は徐々に崩れていきます。擁壁はその土圧を受け止めることで、上の土地に建つ家を守り、下の道路や住宅への土砂流出を防いでいます。
ただし、擁壁が設置されているからといって、絶対に安全というわけではありません。後述する登別市美園町の事故のように、設置から数十年が経過した擁壁は、いつ倒壊してもおかしくない状態に陥っていることもあるのです。
登別市美園町で実際に起きた擁壁倒壊事故
盛り土・擁壁の危険性は、決して他人事ではありません。私たちのお膝元、登別市でも実際に大きな事故が起きています。ここでは、その事故の経緯と、その後明らかになった衝撃の事実をお伝えします。
登別市美園町6丁目 擁壁倒壊事故の経緯
【2023年6月10日】
長雨の影響により、登別市美園町6丁目の傾斜地にある住宅の擁壁が、約25メートルにわたって倒壊。住宅2棟が傾き、付近の13世帯が一時避難する事態となりました。幸いけが人は出ませんでしたが、鷲別コミュニティセンターに避難所が開設されました。
【2023年6月16日】
避難所は閉鎖されたものの、倒壊した擁壁はそのまま放置された状態で、周辺住民の不安は続きました。
【2023年9月】
北海道の現地調査により、衝撃の事実が判明します。倒壊した擁壁の厚さが、建設許可時に提出された設計図面より約30cmも薄かったのです。設置から43年が経過しており、道は「原因はわからない」「当時の検査が誤りだったとは考えられない」と説明しました。
【2023年11月】
住宅3棟は登別市の公費負担による解体方針が決定。これは民有物件に対する異例の対応でした。
【2025年6月時点】
事故から2年が経過。傾いた住宅2棟のうち1棟は所有者によって解体され、擁壁も撤去されました。しかしもう1棟は、擁壁がもたれかかったままの状態が続き、撤去の見通しが立っていません。市を相手取った新たな訴訟も発生しています。
この事故が私たちに突きつけているのは、「擁壁は永遠に壊れない構造物ではない」という当たり前で、しかし忘れがちな事実です。実際に登別市も、市のホームページで次のように呼びかけています。
登別市からの呼びかけ(2023年7月)
「擁壁等は永遠に壊れない永久構造物ではありません。道路橋と同じように維持管理しなければ壊れます。住宅の屋根や外壁を塗装するように、擁壁等も補修・維持管理が必要です」
そして擁壁の維持管理は、原則として所有者の責任であることも、市は明確に示しています。
この事故からくみ取るべき教訓は、いくつもあります。43年前の構造物が、設計と異なる仕様で施工されていた可能性。長期間にわたって誰も気づかなかったリスク。そして、いざ倒壊した後の撤去や賠償の困難さ。傾斜地にお住まいの方は、ぜひ「うちは大丈夫」と思わず、一度ご自宅の擁壁に目を向けてみてください。
北海道・登別室蘭ならではの擁壁劣化リスク
盛り土と擁壁の傷み方は、地域の気候によって大きく異なります。北海道、特に登別・室蘭のような積雪寒冷地では、本州とは違う独特の劣化要因があることをご存知でしょうか。
凍上現象による地盤の持ち上がり
北海道で深刻なのが「凍上(とうじょう)」と呼ばれる現象です。冬場、寒気が地中に侵入すると、土の中の水分がアイスレンズと呼ばれる氷の層を作り、地盤を数十センチも持ち上げてしまうことがあります。
この凍上が、擁壁の背後や基礎部分で繰り返し発生すると、擁壁本体に大きな力がかかり、亀裂やズレを引き起こす原因になります。胆振地方も、地域によっては凍結深度が60cmを超えるエリアもあり、決して油断できる気候ではありません。
凍結融解によるコンクリートの凍害
もう一つの大敵が「凍害」です。これは、コンクリートの細かい隙間に染み込んだ水分が凍結して約9%膨張し、コンクリートを内側から少しずつ破壊していく現象です。凍結と融解を毎冬繰り返すことで、表面のひび割れや剥離、白い析出物(エフロレッセンス)などの劣化が進みます。
本州の温暖な地域では、コンクリート擁壁の寿命は30〜50年程度といわれますが、北海道のような寒冷地では凍害の影響でその寿命が実質的に短くなる可能性があります。築年数の古い擁壁は、見た目以上に内部が傷んでいることがあるのです。
融雪水と長雨のダブルパンチ
春先の融雪期、大量の雪解け水が地中に浸透していきます。さらに登別・室蘭エリアでは、6月の蝦夷梅雨や秋の長雨で土壌が水分を含む期間が長くなります。
盛り土の中に水が入り込むと、土自体の重量が増し、土同士の結びつきが弱まって地滑りが起こりやすくなります。2023年6月の登別市美園町の事故も、長雨が引き金になったと報じられました。北海道の盛り土・擁壁にとって、雪解け期と長雨の時期は特に要注意のシーズンといえます。
登別・室蘭の擁壁に特に気をつけたい時期
- 3〜4月(融雪期):大量の雪解け水で地盤が緩む。冬の凍上・凍害の影響も表面化しやすい時期
- 6月(長雨・蝦夷梅雨):継続的な降雨で土壌の含水量が増加。登別市の事故が起きた時期と一致
- 台風シーズン後:強い風雨や局地的豪雨の後は、擁壁周辺の異変を必ずチェック
- 大きな地震の後:胆振東部地震のような揺れの後は、目に見えない損傷が進んでいる可能性
自分でできる!盛り土・擁壁の安全チェックポイント
「専門家でないと点検できない」と思いがちですが、初期の異変であれば、所有者ご自身の目視でも十分に気づくことができます。ここでは、国土交通省の「我が家の擁壁チェックシート」も参考にしながら、ご自宅で確認できるチェックポイントをご紹介します。
盛り土のチェックポイント
擁壁を設けず盛り土だけで造成されている土地では、次のような兆候に注意してください。
盛り土の点検チェックリスト
- 自宅周辺の道路に、大きな亀裂や段差が新しく入っていないか
- 道路や敷地の一部が、不自然に沈下していないか
- 道路脇の側溝の継ぎ目が、前後・上下にずれていないか
- 盛り土の法面(斜面部分)に、水が湧き出している場所はないか
- 斜面の草の生え方や、樹木の傾きに変化はないか
- 外壁や塀に、新しく入った斜めのひび割れはないか
このうち1つでも当てはまる症状がある場合は、盛り土の中で何らかの異変が起きている可能性があります。早めに専門家へ相談されることをおすすめします。
擁壁のチェックポイント
擁壁は、盛り土よりもさらに細かい点検項目があります。下記のリストを参考に、できれば晴れた日と雨上がりの両方でチェックしてみてください。
擁壁の点検チェックリスト
- 擁壁の表面に、大きな亀裂やひび割れが入っていないか
- ブロックの継ぎ目が、前後や上下にずれていないか
- 擁壁全体や一部に、ふくらみ・はらみが出ていないか
- 水がしみ出して、コケや雑草が生い茂っていないか
- 水抜き穴が土砂や植物で詰まっていないか
- 晴れている日でも、表面から水がしみ出していないか
- しみ出している水が赤茶色(鉄分混じり)をしていないか
- 擁壁が前方に傾いていないか(垂直か?)
- 白い結晶(エフロレッセンス)が表面に浮き出ていないか
北海道特有のチェック項目を追加
登別・室蘭にお住まいの方は、上記に加えて寒冷地特有の症状もぜひ確認してください。
- 冬越し後の春先:凍上で擁壁が動いていないか、地面に新しい段差はないか
- 表面のスケーリング:コンクリートが薄く剥がれ落ちていないか(凍害のサイン)
- 水抜き穴からのつらら:冬場、つららが大きくぶら下がっている場合、水抜き穴から水が出続けている=水が滞留している可能性
- 融雪水の流れ:雪解け時、擁壁の上から大量の水が流れ込んでいないか
専門家への相談タイミング
セルフチェックで気になる点が見つかった場合、「もう少し様子を見よう」は禁物です。擁壁の劣化は、ある日突然限界を超えて倒壊に至るケースがあります。気になる症状を見つけたら、できるだけ早く以下のような専門家にご相談ください。
- 登別市・室蘭市の建築指導課などの自治体窓口
- 地盤調査会社・擁壁の専門業者
- 建築士・土木施工管理技士
- 地元の不動産会社(紹介・連携が可能)
登別市役所の総務部総務グループ(TEL:0143-85-1130)でも、宅地擁壁に関する相談を受け付けています。ご自身で判断に迷われた場合は、まず市の窓口に問い合わせてみるのも一つの方法です。
2023年5月施行「盛土規制法」とは
登別市の事故とほぼ同じ時期に、盛り土に関する法律も大きく変わりました。2023年5月26日に施行された「宅地造成及び特定盛土等規制法」(通称:盛土規制法)です。
盛土規制法ができた背景
この法律が生まれたきっかけは、2021年7月に静岡県熱海市で発生した土石流災害です。盛り土の崩落により27名もの方が犠牲となり、不適切に造成された盛り土の危険性が全国的に問題視されました。
この事態を受けて、それまでの宅地造成等規制法を抜本的に改正し、土地の用途や目的を問わず、危険な盛り土を全国一律の基準で包括的に規制する新しい法律が施行されることになったのです。
規制される3つの区域
| 区域名 | 規制の対象エリア |
|---|---|
| 宅地造成等工事規制区域 | 市街地や集落、その周辺など、盛り土が行われれば人家等に危害を及ぼしうるエリア |
| 特定盛土等規制区域 | 市街地から離れていても、地形等の条件から盛り土が行われれば人家等に危害を及ぼしうるエリア |
| 造成宅地防災区域 | 既存の宅地で、災害防止のため対策が必要と認められたエリア(現時点で北海道内に指定なし) |
北海道内・胆振エリアでの規制開始時期
北海道では市町村ごとに順次規制が開始されています。胆振エリアの状況や全道の状況は、北海道庁のホームページで最新情報を確認できます。規制区域内で一定規模以上の盛り土や切土を行う場合は、北海道知事の許可または届出が必要となります。
所有している土地に盛り土が施されている場合、危険な状況のまま放置していると、行政から改善命令などの処分対象になる可能性があります。盛り土のある土地をお持ちの方は、ぜひこの法律の存在を頭に置いておいてください。
規制区域の最新状況は北海道のWebGISページで確認できます
もしも擁壁が倒壊したら?所有者の責任と賠償リスク
「もし、うちの擁壁が崩れて、下の家や道路に被害を出してしまったら…」——傾斜地にお住まいの方なら、誰もが一度は不安に感じることでしょう。実際、擁壁が倒壊した場合、所有者が負う責任は決して軽くありません。
民法717条「工作物責任」とは
民法717条には、土地の工作物(擁壁を含む)の設置・保存に瑕疵があって他人に損害を与えた場合、占有者または所有者が損害賠償責任を負うと定められています。これを「工作物責任」といいます。
しかも、所有者の責任は無過失責任とされており、所有者が注意していたかどうかに関係なく、原則として責任を免れることができません。これは、自然災害が引き金になった場合でも、擁壁そのものに瑕疵があれば適用される可能性があります。
賠償額が高額になるケース
擁壁倒壊による被害は、損害額が想像以上に膨らむことがあります。
- 下方の住宅や塀の損壊・建て替え費用
- 下方道路の通行止めによる損害
- 被害者への怪我や死亡に対する慰謝料・逸失利益
- 土砂や擁壁残骸の撤去費用
- 復旧のための新たな擁壁建設費用
登別市美園町の事故でも、住宅の解体に多額の費用がかかり、市が異例の公費負担を決定する事態となりました。個人で背負うには到底重すぎる金額になり得るのが、擁壁倒壊のリスクなのです。
「相続したから所有者になっていた」というケースに要注意
近年増えているのが、「親から実家を相続したら、傾斜地の擁壁付きだった」というケースです。
ご両親が長年住んでいた家を相続したものの、ご自身は別の土地に住んでいて、その擁壁が今どんな状態かわからない——こうした「遠方の相続物件」では、知らないうちに擁壁の劣化が進んでいることがあります。所有者になった以上、メンテナンス責任もあなたに移っていることを忘れずに、まずは現地確認を行いましょう。
擁壁・盛り土のある不動産を売却したい場合
傾斜地・擁壁付きの土地は、暮らしの安全だけでなく、不動産取引においても特別な配慮が必要な物件です。売却を検討されている方に向けて、知っておきたいポイントをお伝えします。
擁壁の存在は「告知事項」になる
築年数の古い擁壁や、安全性に懸念のある擁壁がある不動産を売却する際、その情報は買主に告知する義務が生じる可能性があります。これを怠ると、引き渡し後にトラブルとなり、契約解除や損害賠償請求につながるケースもあります。
「言わなければバレないだろう」「うちの擁壁は大丈夫」と自己判断せず、まずは現状を正確に把握することが、安心して売却するための第一歩です。
売却前の点検で安心とスピード感を
売却前に擁壁の状態を点検しておくことには、いくつものメリットがあります。
- 買主の不安を払拭でき、商談がスムーズに進む
- 必要な補修があれば、売却前に対応するか価格に反映するかを選べる
- 引き渡し後のトラブルや契約不適合責任を回避できる
- 住宅ローン審査における物件評価にも好影響
当社では、登別・室蘭の地形を熟知したスタッフが、擁壁付き物件の売却相談も丁寧に承っています。「売れるかどうか不安」「擁壁が古くて気がかり」という段階でも、まずはお気軽にご相談ください。
空き家・遠方相続物件はとくに早めの確認を
登別・室蘭エリアでは、遠方にお住まいの方が実家を相続して空き家として所有しているケースが多く見られます。誰も住んでいない家では、擁壁の異変に気づくのが遅れがちです。
もし「実家がそろそろ気になるけれど、なかなか帰省できない」という方は、当社の空き家みまわり点検サービスもご活用いただけます。擁壁を含めた建物全体の状態を、現地で定期的にチェックし、ご報告いたします。
ハウスメイトネットワーク登別室蘭店の地域密着への姿勢
登別・室蘭エリアは、坂と海と温泉に恵まれた美しい街であると同時に、傾斜地特有の課題と長く向き合ってきた地域でもあります。当社は、この街で長く不動産業を営んできた立場として、地形や気候の特性も含めた住まいのご相談を承ってまいりました。
「擁壁付きの家を相続したけれど、どうすればいいかわからない」「安全性が不安だから売却を考えている」「逆に、擁壁のある物件を購入したいけれど大丈夫だろうか」——どのご相談も、当社にとっては地域の方々の安心な暮らしに直結する大切なテーマです。
表面的な査定や売買だけでなく、その物件と長くつき合っていくための知恵も含めてお伝えするのが、私たちの仕事だと考えています。ご相談は、ささいなことでも構いません。地元の不動産屋として、誠実にお応えします。
まとめ|傾斜地の暮らしを安心して続けるために
2023年6月の登別市美園町の擁壁倒壊事故は、私たち地域の住民に多くの教訓を残しました。事故から2年以上が経過した今も、現場の課題は完全には解決されていません。それは決して特殊なケースではなく、登別・室蘭の傾斜地のいたるところに、似たリスクが眠っている可能性を示しています。
この記事のポイントまとめ
- 盛り土・擁壁は永遠に壊れない構造物ではない。定期的な点検が必須
- 登別市美園町の事故では、設計より30cm薄い擁壁が43年後に倒壊した
- 北海道は凍上・凍害・融雪水など、本州にない劣化要因がある
- 擁壁の安全点検は、ご自身でも目視で十分にチェック可能
- 2023年5月施行の盛土規制法により、規制が強化されている
- 擁壁倒壊時の所有者責任は無過失責任で、賠償額は高額になり得る
- 擁壁付き物件の売却には事前点検と適切な告知が重要
大切なのは、「いつか」ではなく「今」目を向けることです。チェックリストを片手に、ご自宅の擁壁を一度じっくり観察してみてください。気になる点が見つかったら、専門家や私たち地元の不動産会社にお気軽にご相談いただければと思います。
傾斜地の暮らしは、見晴らしの良さや静けさ、自然との近さといった、ほかにはない魅力があります。その魅力を長く、安心して享受し続けるために、盛り土・擁壁との上手なつき合い方を、ぜひこの機会に考えてみてください。
盛り土・擁壁のご相談、不動産売却・購入は登別室蘭店へ
「擁壁付き物件をどうしたらいいか」「相続した実家の擁壁が不安」など、
傾斜地にまつわるご相談は、地域密着の当社へお気軽にどうぞ。
査定だけのご依頼、情報収集段階のご相談も大歓迎です。

登別市美園町の擁壁倒壊事故は、地元の不動産屋として本当に他人事に思えませんでした。43年前の構造物が、知らないうちに設計と異なる仕様になっていた——これは、登別・室蘭の傾斜地のどこで起きてもおかしくない話です。
だからこそ、ご自宅の擁壁を「いつか見てみよう」ではなく、「春の雪解け後に一度確認しよう」と、ぜひ習慣にしていただきたいのです。私たちは、点検・売却・購入・空き家管理など、擁壁にまつわるあらゆるご相談に、地元の知見を持って向き合います。お気軽にお声がけください。