統計データサイト「生活ガイド.com」からデータを引用・参照し、2020年における登別市と室蘭市の、人口数や住宅事情などを比較してみます(※)。
※引用・参照元:生活ガイド.com「登別市の統計データ」「室蘭市の統計データ」
○人口関連
○住宅事情
○公共料金
○暮らし・公共の施設
○教育施設
○医療施設
○その他
比較するデータは、以上7点です(以下、「市」は省略)。
登別と室蘭の人口関連データの比較は、以下の通りです。
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登別市 |
室蘭市 |
総人口 |
46,391 |
82,383 |
総世帯 |
20,885 |
41,660 |
男性 |
22,146 |
40,390 |
女性 |
24,245 |
41,993 |
高齢人口率(65歳以上) |
36.66% |
37.74% |
死亡者 |
617 |
1,248 |
転入者 |
1,665 |
2,913 |
転出者 |
2,079 |
3,514 |
婚姻件数 |
163 |
294 |
離婚件数 |
75 |
118 |
離婚率(1,000人当たり) |
1.60件 |
1.45件 |
人口に関連する全データにおいて、室蘭は登別の約2倍になっています。登別を一回り大きくした市が、室蘭と言えるかもしれません。
登別と室蘭の住宅事情の違いは、以下の通りです。
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登別市 |
室蘭市 |
土地平均価格(居住地) |
18,720円/㎡ |
15,332円/㎡ |
土地平均価格(商業地) |
37,500円/㎡ |
36,533円/㎡ |
空き家率 |
15.17% |
18.24% |
持ち家比率 |
66.30% |
55.45% |
居住期間(出生時から居住) |
6.36% |
6.77% |
居住期間(20年以上居住) |
39.57% |
36.06% |
平均通勤時間 |
19.8分 |
17.1分 |
○登別の方が室蘭よりも地価が若干高い
○空き家率は室蘭の方が登別より約3%高い
○持ち家比率は登別の方が室蘭よりも約10%高い
○20年以上居住する方の割合も、登別の方が室蘭よりも約3%高い
これら4点は、互いに連関するデータのはずです。特に、持ち家比率の違いは数値的にも大きな差になっていて、注目に値します。このデータだけでは断定できませんが、できれば登別に腰を据えて住みたいと考える方が、傾向としては「やや」多いのかもしれません。
登別と室蘭の公共料金(月額)の比較は、以下の通りです。
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登別市 |
室蘭市 |
水道(口径20mmで20㎥の場合) |
4,822円(市) 3,718円(簡易水道) |
3,294円 |
下水道(20㎥使用した場合) |
4,246円 |
3,663円 |
ガス(22㎥使用した場合) |
5,226円 |
5,226円 |
ガス料金が同じなのは、両市ともに室蘭ガスの管轄だからです。室蘭の方が、水道料金が安いことがわかります。
登別と室蘭の暮らしに関連する施設数や、公共施設数の比較は以下の通りです。
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登別市 |
室蘭市 |
百貨店・総合スーパー |
1 |
1 |
郵便局 |
11 |
22 |
図書館 |
2 |
1 |
公園 |
44 |
121 |
郵便局の数は、人口規模に沿った数値(2倍)と考えられますが、室蘭の公園数は登別の約3倍。室蘭の方が、将来的な子ども需要の喚起に熱心なのかもしれません。
登別と室蘭の教育施設数の比較は、以下の通りです。
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登別市 |
室蘭市 |
幼稚園 |
4(公立:0、私立:4) |
9(公立:0、私立:9) |
小学校 |
8 |
9 |
中学校 |
5 |
8 |
高校 |
1 |
6 |
高校の数において、両市の間には圧倒的な差があります。「隣同士」という地理的要素を考慮すれば、登別から室蘭の高校へ通っている学生さんが多いことを、強く示唆するデータです。
登別と室蘭の医療施設数の比較は、以下の通りです。
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登別市 |
室蘭市 |
一般病院 |
6 |
6 |
一般診療所 |
18 |
52 |
一般病床 |
110 |
1,346 |
医師数 |
51 |
244 |
一般病床数(ベッド数)に、圧倒的な違いがあるようです。医師の数にも、4倍以上の開きがあります。こと医療に関しては、室蘭の方が手厚いと言えるかもしれません。
その他、登別市と室蘭市の違いは、以下の通りです。
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登別市 |
室蘭市 |
年間平均気温 |
8.4℃ |
8.7℃ |
年間降水量 |
1,527.2mm |
1,179.1mm |
所得(納税義務者一人当たり) |
277.8万円 |
302.0万円 |
飲食店数(1万人当たり) |
35.9件 |
76.1件 |
特色 |
温泉などを中心とした観光都市 |
重化学を中心とした工業都市 |
隣同士の市なので、気候に関するデータに大きな違いはありません。飲食店数も、人口規模の違いに沿っています。ただし、年間所得に20万円以上の差があるのは、見過ごせないでしょう。
上記は、2020年のデータ。新日鉄が撤退(統合)する前のデータです。今後どのような変化が出るのか、注目されます。いずれにせよ、同社が室蘭市民の所得(雇用)に及ぼしてきた影響力の大きさが、うかがえるデータと言えるかもしれません。
これまでのデータ比較からわかる、登別と室蘭の違いを以下に簡単にまとめました。
○室蘭の人口規模は登別の約2倍
○登別の方が室蘭より若干地価は高い
○持家比率は登別の方が室蘭よりも約10%高い
○室蘭の方が登別より水道料金は安い
○公園・高校・一般病床数においては、室蘭が登別を圧倒している
○室蘭の方が登別より年間所得は20万円ほど高いが、今後においては不安定要素を残す