○実家を処分する流れ
○必要になる事前準備
○費用の目安
実家の処分について、以上のポイントを解説します。
①遺産分割
②名義変更
③遺品整理
④売却活動
実家を処分する流れは、以上4ステップです。
実家を処分する第1段階は、遺産分割です。遺産分割をするためには、遺言書の有無の確認をしなければなりません。遺言書がある場合はその内容に従って、無い場合は法定相続人の順位に従って遺産分割することになります。
遺産分割は「揉め事の種」です。できれば、ご両親が存命の内に親族が集まって、よく話し合っておくことが望まれます。
実家を処分する第2段階は、名義変更です。名義変更をするには、その大前提として法定相続人全員の同意が必要になります。法定相続人の同意の元、管轄する法務局に「所有権移転登記」をしてください。
実家を処分する第3段階は、遺品整理です。遺品整理には、家財処分も含まれます。査定の前に、家の中を空っぽにしておくのが原則。自分で遺品整理をする場合には相当な手間が、業者に頼む場合は数十万円単位の解体費用が必要です。
遺品整理には、仏壇やお墓の処分も含まれます。
たとえば、相続人が本州にお住まいで処分する実家が登別にある場合、実家を処分した後、お墓参りのためだけに毎年登別へ戻るのは、精神的にも経済的にも負担がかかる行為でしょう。実家を処分する際には、お墓も本州へ移してしまった方がよいかもしれません。
実家を処分する第4段階は、実家の売却活動です。
○査定
○仲介契約
○売買契約
○売却
不動産会社の協力の元、以上のような流れで実家の売却が進みます。
○実家の処分方法を決定する
○実家の購入費用がわかる書類を探す
○隣家との境界を確認する
実家を処分するための準備には、以上のようなポイントが挙げられます。
○仲介
○買取
実家の主な処分方法には、以上2つが挙げられます。仲介とは不動産会社に買主を探してもらうこと、買取とは不動産会社に実家を買い取ってもらうことです。親族に譲渡する手段もありますが、この場合贈与税が発生するケースがあるので注意してください。
家を売却した時に利益が出ると、利益に対して税金が発生します。利益の計算の仕方は以下の通りです。
○利益=売却価格-(売却にかかった費用+実家の購入費用)
利益が小さいほど、税金も安くなります。実家の購入費用が事前にわかっていれば、売却利益の想定もしやすくなるので、処分の計画が立てやすくなるでしょう。
○売買契約書
○工事請負契約書
実家の購入費用は、以上のような書類に記載されているはずです。実家の購入費用がわからない場合は、「売却価格の5%(概算取得費)」で計算します。
隣地との境界線が確定していなければ、不動産会社が仲介や買取に応じてくれないので、実家を売却できないと考えてよいでしょう。
○確定測量図
○境界標
これらが確認できない場合は、境界を確定するために「確定測量」をしなければなりません。確定測量には3ヶ月程度の時間がかかるので、なるべく早めに動いた方がよいでしょう。
実家の処分にかかる費用の目安や計算式を、以下にまとめました。
項目 |
費用の目安or計算式 |
実家の解体 |
木造:90~200 万円 鉄筋コンクリート:150~210万円 RC:180~240万円 |
不用品の処分 |
10~40万円 |
相続登記(名義変更) |
固定資産税評価額の0.4%+取得手数料(数百円)+司法書士への依頼料(10万円前後) |
確定測量 |
35~80万円 |
仲介手数料 |
200万円以下:(売却価格×5%)+消費税 200万円超~400万円以下:(売却価格×4%+2万円)+消費税 400万円超:(売却価格×3%+6万円)+消費税 |
譲渡所得税 |
所有期間5年以内:税率39.63% 所有期間5年超:税率20.315% |
固定資産税 |
税率1.4%(固定資産税)+0.3%(都市計画税) |