アパート経営を失敗に導くリスクを、「入居者に関連するリスク」と「経営全般に関連するリスク」の2つに分け、その対策を北海道の地域事情も交えながら紹介しましょう。
入居者に関連するリスクも、経営全般に関連するリスクではありますが、分けて捉えた方が問題の所在がわかりやすいはずです。
入居者に関連するリスクを、4つ紹介しましょう。
アパート経営において空室リスクは、経営に直結する問題です。空室の分だけ収入がなくなるだけでなく、毎月のローン返済や修繕積立金が払えなくなる危険性もあります。空室を埋めるため、広告営業費も余計にかかるでしょう。
アパートは、建物として劣化します。築年数に比例して徐々に家賃を下げなければ、入居者は集まりません。一般的に、アパート経営においては年率換算で、約1%程度の家賃下落が見込まれます。
例えば、現在家賃を5万円に設定している場合、10年後には家賃を4万5,000円まで下げなければ、入居者は集まりにくくなるのです。
家賃を滞納する入居者は、必ず現れます。問題は、3ヶ月以上の長期滞納がないと、家賃滞納者との賃貸借契約を解除できないこと。1~2ヶ月の滞納だと、入居者を退去させる正当事由にあたらないからです。
家賃滞納期間は、家賃の収入が途絶えるだけでなく、新規入居者を募集できないことも意味します。機会損失の観点からも、重大なリスクなのです。
入居者同士のトラブルや近接する住民とのトラブルは、アパート経営に付いて回る重大リスクのひとつでしょう。特に問題になりやすいのが、「騒音トラブル」と「ゴミ出しトラブル」。当事者だけでなく、他の入居者の退去にもつながりやすいのが、非常に厄介です。
経営全般に関連するリスクを、3つ紹介しましょう。
アパートは年数の経過とともに、必ず老朽化します。10~15年に1回程度のペースで大規模な修繕工事が必要になるのです。その費用は、数百万円にまで及ぶケースも珍しくありません。
老朽化は、経営者の経営状況に関係なく進行します。家賃収入が途絶えても老朽化は進むので、経営の初期段階から、修繕金を積み立てておくなどの対策が必要でしょう。
サブリースとは、アパートを業者が一括で借り上げ管理し、家賃の保証もしてくれる経営方式を指します。「サブリース業者によるアパート経営代行サービス(家賃保証付き)」、というイメージが近いかもしれません。
アパート経営者にとっては、 “至れり尽くせり”なサービスに聞こえるかもしれませんが、現実にはそんな“おいしい”話ばかりでもないのです。特に気を付けたいのが、家賃保証。サブリース業者の都合で、家賃収入額が変わってしまうリスクがあるのです。
サブリース契約は、「家賃の支払いをする保証」です。「家賃の額」までは保証してくれません。業者が抱える収支負担やリスクを、家賃の引き下げという形でアパート経営者に転化させられる可能性があるのです。
業者とサブリース契約を結ぶ際には、契約内容や賃料減額などのリスクを、十分理解してからにしてください。
経営するアパートを売却する場合、数ヶ月程度の時間がかかります。すぐに売却できません。1棟でも入居者がいれば売却できませんし、老朽化が著しい物件だと、そもそも売却できるかどうかもわからないでしょう。
「人口減少」と「高齢化」。いずれも日本全国で進行が加速していますが、北海道は特に顕著です。交通網が整備されていないので、中心部と周辺地域における交通の便の落差が激しいのも特徴でしょう。何と言っても、雪が降ります。
これらは、入居者に関連するリスク全般や、老朽化リスクを高める要因になるでしょう。北海道は、アパート経営のリスクが、他の地域よりも高いのです。
アパート経営を始める際には、入居率・家賃の変化・ローン返済計画などについて、事業計画書を作成します。しかし、事前のグランドデザインと実際の経営の間には、大きな開きが生じるでしょう。
リスクが存在することは事前に推定できますが、リスクが発生するタイミングは、事前に推測すらできないからです。その最たる例が、災害でしょう。いつ大地震や火災が発生するのかは、誰にもわかりません。
タイミングがわからないのであれば、いつ発生しても対応できるよう、事前に対策を施しておく必要があります。
そこで重要になるのが、パートナー企業選び。アパート経営のリスクは、「人・建物・お金」に集約されます。アパート経営を成功させるには、これらに精通し適宜アドバイスやサポートをしてくれる、パートナー企業(不動産会社)を見つけることが大切です。
北海道中西部エリア(登別・室蘭・伊達・白老)には、1,000棟以上のアパートが存在します。それぞれが抱える事情も、まさに千差万別です。アパート経営でお困りの方は、ノウハウに精通する当社に、ぜひ一度ご相談ください。