原価法は対象となる不動産をもう一度つくるとしたら、土地代や建物代などがいくらかかるかを想定して、最終的な価格を割り出す方式です。
建物の場合は、築年数によって価値が減少した分や、リフォームや大規模修繕によって価値が上がった分も考慮して不動産全体の価格を割り出さなくてはいけません。
しかし、不動産会社が査定価格を決める際に、実際には建物の価値はあまり考えません。
木造住宅では築10年なら新築時の凡そ半額、築20年以上なら0円のようにおおまかに決められています。
本来不動産には1つとして同じものが無いにもかかわらず、また、同じマンション内の同じ仕様の部屋だとしても、メンテナンスの状況やリフォームの有無によって状態はだいぶ変わってくるはずです。
築年数だけで、価格を決めてしまう方法には根拠は無いのです。たとえ築50年であっても、古民家としての価値を見出して買ってくれる人がいるかもしれません。
しかし、建物の価値だけで価格が決められるものでもありません。
価格は需要によって決まる側面もあるからです。
取引事例比較法は、対象となる不動産と条件が類似する不動産の取引事例を調査して最終的な価格を決める方法です。あなたが中古住宅の査定を依頼すると、不動産会社基本的には取引事例比較法を用いています。
近隣データや過去の取引事例、路線価、公示価格なども参考にしながら、導き出していきます。